臍ヘルニア
当院では小児外科専門医が日帰りで臍ヘルニア根治術を行っています
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へその緒が取れた後に、お臍に腹圧がかかることで腸が飛び出してきて膨れる状態を臍ヘルニアと言います。5~10人のあかちゃんに1人の割合で見られ、1か月健診のころから目立ち始めて生後3か月頃まで大きくなります。2歳までに9割のお子さんは自然にお臍が膨れなくなりますが、皮膚のたるみが残ってお臍が飛び出たままになる場合もあります。稀に陥頓1)や破裂2)の報告があり、そのような場合は必ず手術が必要になります。
図1 お臍に腸管が脱出しています




どんな治療をするの?
当院では綿球圧迫で皮膚のたるみを最小限に抑え、1~2歳を過ぎてもヘルニアが残っている場合は臍ヘルニア根治術を行っています。
綿球圧迫法
安全にお臍を圧迫固定する方法にはコツがあります。自己判断で行わず、小児外科外来を受診してください。
- 図2 綿球圧迫法



手術
臍の皮膚を切って、皮下を剥がしてヘルニアの袋を切り取りヘルニアの孔を縫合閉鎖します。皮膚の余剰が大きい時は皮膚を切って形を整えますが、大きなヘルニアほど形を整えるのが難しいです。当院では小児外科専門医が日帰り手術を行っています。ご家族はお子さんが「術後に痛がるのではないか」が心配だと思います。当院では、神経ブロックをすることで「痛くない手術」を心がけています。手術は保険適用です。
図3 臍形成術
- 症例1



- 症例2



- 症例3



文献
1) 矢内 洋次ら:小児臍ヘルニア嵌頓の1例 . 日本小児外科学会雑誌 49:1229-1233, 2013
2) 手柴 理沙ら:自然破裂した乳児巨大臍ヘルニアの1例 . 日本小児外科学会雑誌 44:595-598, 2008