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呼吸器外科

呼吸器外科(担当医師:横内秀起、高畠弘幸

呼吸器外科の主な対象疾患である肺がんに対しては、マルチスライスCT (80 列と320列の2台)と頭部MRI(1.5テスラ2台)、全身PET-CT(外部検査施設に依頼)による詳細な画像診断と超音波ガイド下気管支鏡・CTガイド下経皮穿刺・胸腔鏡・縦隔鏡などによる生検にて質的および進行度診断を行っております。基本的には肺癌診療ガイドラインに基づきつつ、患者さまの病状・体調に応じて、呼吸器内科と協力して、手術、免疫チェックポイント阻害剤・分子標的薬・抗がん剤などの薬物療法、放射線治療を最適な組み合わせで行っています(平成28~30年の3 年間に実施した肺がんに対する根治手術は114例で、うち術前化学療法2例、術後化学療法1例を含む。)

肺がんに対する根冶手術は、術前にSynapse Vincentによる肺実質・血管・気管支構築と腫瘍局在の3D解析を行った上で、I 期症例では4ポートの胸腔鏡下、II 期・III 期では前ないし後側方開胸下の縦隔リンパ節廓清を伴う肺葉切除術を標準とし、小型や悪性度の低い肺がんや転移性肺腫瘍、高齢者や合併症を持つ症例には肺区域切除術や肺部分切除術などの肺機能を温存する縮小手術を行っており、概ね10 日から2 週間の入院となっています。

放射線治療は常勤の放射線治療専門医によって計画され、CT で照射線量をシミュレーションし、通常の2~6門照射から高精度の定位照射までが可能なリニアック放射線照射装置を用いて行っております。手術不能ないし拒否のI期肺がんやIII期局所進行肺がんの原発巣や胸部・頚部のリンパ節転移、肺がん術後の局所再発や肺転移、第二肺がんの他、脳や骨の転移巣に対する放射線治療も行っています。なお、脳転移に対しては、概ね3cm以下かつ4個以下の場合は近接する国立循環器病研究センターに治療効果の高い定位放射線照射(ガンマナイフ)を依頼、ガンマナイフで制御困難な4cmを超えるような単発の脳転移に対しては摘除可能な部位であれば当院脳外科にて可及的な腫瘍摘除術後に局所照射を、高度多発脳転移には全脳照射を行っています。

咳・胸痛などの胸部症状がある場合のほか、検診などで見つかった胸部異常陰影や肺がんの高危険群でかつ肺がんを見落とし易い肺気腫・肺線維症・陳旧性肺結核を持つ方の精密検査として、胸部CT 検査は極めて有用ですので、ご依頼をお願いいたします。なおCT 検査依頼のみいただいた場合も放射線医による読影所見をつけてお返しいたしますが、同時に呼吸器内科ないし外科の診察依頼もしていただければ速やかに診断・治療もしくは経過観察の計画をお示しいたします。

縦隔腫瘍は、胸腺腫に対しては炭酸ガス送気下の3~4ポートの胸腔鏡下に胸腺を含む摘除術を、後縦隔神経原性腫瘍に対しては同様に摘出術を、浸潤性胸腺腫や胸腺癌に対しては胸骨縦切開下に肺や腕頭静脈などの浸潤臓器合併切除術を行っております(平成28~30 年の3 年間の縦隔腫瘍手術:8例)。

自然気胸症例は、軽症では自宅安静で経過観察とし、中等症以上では通常は入院の上、まず細径ドレーンと一体化した携帯型ドレナージ容器(ソラシックエッグ)を用いた負担の少ない胸腔ドレナージ(外来通院でも実施可能)を行い、マルチスライスCT の冠状・矢状断画像により気胸の原因となる肺嚢胞(ブラ)の存在を確認の上、再発例、再膨張不良例、概ね5 日間以上気瘻が止まらない場合、そして学業・仕事など社会的要因で再発予防を希望される場合に手術を実施しています。手術は3ポートの胸腔鏡下に気胸の原因となる肺嚢胞をその大きさ・広がりに応じて、自動縫合器による切除・縫縮・凝固(ソフト凝固など比較的低温の加熱)により処理した後、必要に応じて吸収性シートや生体糊による肺表面の被覆・補強を行ない、術後3 ~ 7 日で退院可能となっております(平成28~30 年の3 年間の気胸手術:47例)。

また大きい肺嚢胞は、気胸の既往がない場合も、労作時息切れをきたす症例や感染による嚢胞内液貯留症例では手術適応がありますので、ご紹介をお願いいたします。

主に肺炎に随伴して発症する急性膿胸(細菌性胸膜炎)で、析出したフィブリンによる隔壁形成でドレナージ困難な症例には、全身麻酔下・胸腔鏡下の白苔掻破術を行い、速やかな胸水と炎症の鎮静化を図っております(平成28~30年の3 年間の急性膿胸手術:16例)。

また原発不明の癌性胸水や胸膜中皮腫、結核性胸膜炎などが疑われる多量の胸水貯留例に対する、局所麻酔下の胸膜生検による確定診断も実施しております(平成28~30年の3 年間の手術:5 例)ので、胸水貯留症例のご紹介もよろしくお願いいたします。

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