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禁煙外来

スタッフ紹介

担当医師
横内 秀起
(特任副院長)
対象 禁煙を希望する方
日時 月曜日(午前)
場所 禁煙外来 診察室
費用 医療保険適用
※ニコチン依存症と判定されなければ保険適用にはなりません。
予約先 市立吹田市民病院 予約センター 06-6387-3721(直通)
受付時間 平日の午後1時から5時まで

禁煙外来のご案内

内容:喫煙状況・ニコチン依存度の判定とそれに基づく禁煙指導、資料提供、禁煙補助薬の処方など

まず問診票にご記入いただき、その結果で保険適応にならない場合は、自由(自費)診療をお受けいただくか、あるいは、診療は行わずに簡単なアドバイスと資料をお渡しして、禁煙補助薬を使用せずに、自力で禁煙していただくことになります

喫煙および受動喫煙の害が広く社会に認知されてきた昨今、喫煙者の多くの方が、禁煙にチャレンジしてもなかなかやめられない、やめたいとは思うが自信がないという状況かと思われます。禁煙が難しいのは、喫煙習慣がアルコールや麻薬・覚せい剤などと同様にニコチンという薬物に対する依存(中毒)と喫煙行動自体が長年の継続により食後や休息時など特定の行動と結びついた生活の一部にまでなってしまっている習慣的・心理的依存の二重の依存により強固に刷り込まれてしまっているからです。

薬物依存の方は禁煙補助薬を使用すれば十分抑えることができますので、心理的依存の軽い方は比較的楽に禁煙できます。しかし、喫煙行動自体への心理的依存の強い方(タバコはおいしいとは全然思わないのに無意識のうちに吸ってしまっている人など)は、禁煙は容易ではありません。禁煙に対する強い目的意識を持って臨まないとなかなか成功しません。まずは、タバコの害や依存のこと、禁煙のコツ、治療の内容などをよく知っていただき、喫煙の場所・時間・本数などを制限しつつ、禁煙に対する意欲を十分に高めた上で、禁煙治療に臨まれることをお勧めします。

また、手術などの治療で入院される場合や禁煙がぜひとも必要な特定の病気で治療される場合などは、禁煙の絶好の機会とも言えます。ぜひとも禁煙外来にご相談下さい。なお、入院する場合には保険適応を受けるためには入院前に禁煙治療を始める必要がありますのでご注意下さい。また、全身麻酔の手術を受ける場合は手術の1ヶ月以上前から禁煙することが望ましい(手術後の合併症のリスクを低下させることができる)ので、手術の可能性がある方はできるだけ早く禁煙を開始することをお勧めします。

禁煙の重要性について

ご存知のように、タバコの煙には、タール・ニコチン・一酸化炭素を含む200種以上の有害物質が含まれており、喫煙は、喉頭がん・肺がんなどの悪性疾患、狭心症・心筋梗塞などの循環器疾患、肺気腫・慢性気管支炎などの呼吸器疾患、胃・十二指腸潰瘍などの消化器疾患のリスクを高めるばかりでなく、親の喫煙により、胎児や同居の子供に、異常分娩、低体重児の出産、乳児の突然死、知能指数低下や情動障害、気管支喘息・肺炎・気管支炎・中耳炎などのリスクを高めることが指摘されています。

すなわち、喫煙はわが国のような先進国において疾病の原因の中で防ぐことの出来る単一で最大のものであり、禁煙は今日最も確実にかつ短期的に大量の重篤な疾病を劇的に減らすことのできる方法であり、禁煙推進は喫煙者・非喫煙者の健康の維持と莫大な保険財政の節約になり、社会全体の健康増進に寄与する最大のものと言っても過言ではありません。

ところで、喫煙習慣の本質はニコチン依存症であり、本人の意志の力だけで長期間の禁煙ができる喫煙者はごくわずかであることが明らかになっています。欧米ではニコチン依存症を「再発しやすいが、繰り返し治療することにより完治しうる慢性疾患」と捉え、禁煙治療に対する保険給付などの制度を導入して、多くの喫煙者が禁煙治療を受けることができるよう社会環境の整備を進めています。

日本でも、日本循環器学会や日本肺癌学会などの禁煙に取り組む学会による禁煙治療の保険適用の要望を受けて、ようやく、平成18年2月の中央社会保険医療協議会総会において、「ニコチン依存症管理料」が新設され、禁煙治療に対する保険適用が平成18年4月より開始されました。

当院でも、これらの状況に鑑み、入院患者の合併症予防と地域住民の疾病予防の観点から、平成18年10月から敷地内全面禁煙に踏み切り、禁煙外来を開設し、禁煙指導を推進しております。

禁煙治療について

禁煙治療に対する保険給付(ニコチン依存症管理料)の対象は、以下の4つの条件を全て満たす、ニコチン依存症の外来患者です(入院患者の禁煙治療は原則的に保険適応外で、外来で禁煙治療を開始して禁煙治療中に入院した場合に禁煙補助薬の薬剤費のみが保険適応となります)。

  1. 直ちに禁煙しようと考えていること
  2. ニコチン依存症のスクリーニングテスト(TDS*)が5点以上であること
  3. 35歳以上のものについてはブリンクマン指数(1日喫煙本数×喫煙年数)が200以上であること
  4. 禁煙治療を受けることを文書により同意していること

初回診察に加えて、禁煙開始 2 週間後、 4 週間後、8 週間後、12 週間後の計4 回の再診で禁煙治療を行った場合に管理料が算定され、禁煙治療にかかる費用が保険適応となります。また、初回算定日から1年を経過しないと、再度算定することができません。すなわち、禁煙チャレンジに失敗、ないし禁煙後に再喫煙してしまった場合は、前回の禁煙チャレンジ開始から1年間は保険適応による禁煙の再チャレンジはできないことになります。

当初は禁煙を開始した際に現れる不快な症状(離脱症状)を軽減して禁煙の成功率を高める禁煙補助薬として、ニコチンパッチ(商品名:ニコチネルTTS)のみが、上記のニコチン依存症管理料の算定に伴って処方された場合に限って保険適応を認められておりましたが、平成20年5月から、初めての内服の禁煙補助薬としてバレニクリン(商品名:チャンピックス)が保険適応を認められました。バレニクリンはニコチンの類似物質で弱いニコチン様作用があり離脱症状を軽減すると同時に、ニコチンが作用するのを遮断して喫煙した際の満足感をなくす働きもあり、ニコチンパッチより高い禁煙成功率が期待できます。

なお、市販されている、もうひとつの禁煙補助薬である、ニコチンガム(商品名:ニコレット)は、保険適応とはなりません。またニコチンパッチも10mgと20mgのものは薬局でも販売しております。

ただし、以下の条件にあてはまる方は、禁煙補助薬が使用できませんので、指導のみになります。

  1. 妊婦又は妊娠している可能性のある方、授乳中の方
  2. 不安定狭心症、急性期の心筋梗塞、重篤な不整脈、冠動脈の経皮的形成術やバイパス術直後の方
  3. 脳血管障害回復初期の方
  4. ニコチンや製剤に含まれる副成分に対して過敏症を起こしたことのある方

なお、うつ病や統合失調症など精神疾患を持っている方は、補助薬の有無を問わず、禁煙自体が抑うつ気分、不安、行動・思案の変化、攻撃的行動、自殺念慮及び自殺を引き起こす可能性がありますので変化に十分注意し、そのような症状が現れた場合は、無理をせず、禁煙を中止することを検討してください。

また、バレニクリン内服中は、めまい・傾眠・意識障害等があらわれて自動車事故に至った例も報告されているので、自動車の運転等危険を伴う機械の操作には従事しないでください。

(参考)禁煙治療にかかる費用(概算)

ニコチンパッチ(商品名:ニコチネルTTS)
保険診療(3割負担の場合)
診察料 初診:2880円、再診:740円×4回
合計:5840円×3割=1752円
管理料 初診:2300円、再診:1840円×3回+1800円
合計:9620円×3割=2886円
院外処方箋料 680円X4回、合計2720円X3割→816円
薬剤費 ニコチネルTTS 30:228.4円×28枚
ニコチネルTTS 20:222.7円×14枚
ニコチネルTTS 10:208.2円×14枚
合計:12427.8円×3割=3728円
合計 9182円 ※自由診療の場合は約40500円になります。
バレニクリン(商品名:チャンピックス)
保険診療(3割負担の場合)
診察料 初診:2880円、再診:740円×6回
合計:7320円×3割=2196円
管理料 初診:2300円、再診:1840円×3回+1800円
合計:9620円×3割=2886円
院外処方箋料 680円X6回、合計4080円X3割=1224円
薬剤費 チャンピックス錠 0.5mg:138.7円×1TX3回
チャンピックス錠 0.5mg:138.7円×2TX4回
チャンピックス錠 1mg:248.0円×2TX77回
合計:39717.7円×3割=11915円
合計 18221円 ※自由診療の場合は約80100円になります。

院外薬局では薬剤費以外に別途、調剤技術料・薬剤情報料などが毎回必要です。

(参考)TDS:ニコチン依存症スクリーニングテスト

以下の10問の質問に各々当てはまる場合を1点として合計5点以上がニコチン依存症と診断されます。

問1 自分が吸うつもりよりも、ずっと多くタバコを吸ってしまうことがありましたか。
問2 禁煙や本数を減らそうと試みて、できなかったことがありましたか。
問3 禁煙したり本数を減らそうとしたときに、タバコがほしくてほしくてたまらなくなることがありましたか。
問4 禁煙したり本数を減らしたときに、次のどれかがありましたか。(イライラ、神経質、落ちつかない、集中しにくい、ゆううつ、頭痛、眠気、胃のむかつき、脈が遅い、手のふるえ、食欲または体重増加)
問5 問4でうかがった症状を消すために、またタバコを吸い始めることがありましたか。
問6 重い病気にかかったときに、タバコはよくないとわかっているのに吸うことがありましたか。
問7 タバコのために自分に健康問題が起きているとわかっていても、吸うことがありましたか。
問8 タバコのために自分に精神的問題が起きているとわかっていても、吸うことがありましたか。
問9 自分はタバコに依存していると感じることがありましたか。
問10 タバコが吸えないような仕事やつきあいを避けることが何度かありましたか。