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そけいヘルニア

そけいヘルニア(脱腸)

 お腹の中の臓器(腸管や大網、卵巣など)が鼠径部に飛び出してきて膨隆する病気です。こどもの1~5%に発生すると言われています。放置すると飛び出した臓器がはまり込んで(嵌頓)、血行障害を起こして壊死してしまうことがあります。

図1 このように膨らみます

6か月男児の左鼠経ヘルニア.jpg
6か月男児の左鼠経ヘルニア
6歳女児の両側鼠経ヘルニア
6歳女児の両側鼠経ヘルニア

 手術に慣れた小児外科医が行わないと、重大な合併症が報告されています。当院では小児外科専門医が日帰りで腹腔鏡下鼠径ヘルニア根治術を行っています。

腹腔鏡下そけいヘルニア根治術

 お臍の底から3㎜の細長いカメラを挿入し、お腹の内側から鼠径ヘルニアの穴を確認します。右側腹部から2㎜の細長い鉗子を入れ、鼠径部からヘルニア手術専用の針を入れて穴を縛って閉じます。

図2 手術の様子

図2-1.jpg
図2-2.jpg

 従来法では約1割の患児に術後反対側のヘルニアが出現して、もう一度入院して手術が必要になっていました。腹腔鏡手術ではお腹の中から観察するので、症状のない反対側も穴が開いていたら同時に手術できる利点があります。

図3 おなかの中から見たヘルニアの様子

 

図3-1.jpg
赤矢印が
ヘルニアの穴です
図3-2.jpg
穴に全周性に
糸をかけます
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糸を結んで
穴を閉じます

図4 手術の傷はほぼ分からなくなります

図4-1.jpg
術直後は防水テープで
傷を覆います
図4-2.jpg
術後1か月目には
傷はほぼ分かりません

傷が小さいので痛みが少なく、術後はほとんど傷が分からなくなります。