尿膜管遺残

お臍の傷1つで手術するので傷跡がきれいです。
傷が⼩さいので回復が早く術後2⽇で退院します。
患者さんの声を大公開!
尿膜管遺残とは胎児期に通常退縮するはずの「尿膜管」が残ってしまい、瘻孔・嚢胞・憩室などの病変を形成した状態です。成人の約1〜2%でみられるといわれています。感染を繰り返したり、稀ですが発がんの報告もあるため、手術が推奨されています。
尿膜管遺残症の病型

症状
- おへそから膿や尿が出る
- おへそ~下腹部の痛み
- 発熱
お臍から血膿が出たり、赤く腫れたりして痛みます

治療について
当院では、感染が治った後に手術治療を行います。
特徴
・おへその傷だけ(単孔式)で腹腔鏡手術を行い、傷跡を目立たせません
・傷が小さいため回復が早く、術後2日で退院が可能です
(※ 膀胱との連続性がある症例では追加処置が必要になる場合があります)
抗生剤や切開排膿などで感染が治癒した後に手術をします。術前に膀胱鏡検査で尿膜管と膀胱との連続性を確認します。手術ではおへそから膀胱までの尿膜管を摘出します。膀胱側をどこまで取るかは議論されており定まった見解はありませんが、当科では膀胱鏡や尿路造影で尿膜管と膀胱との連続性がないことを確認して膀胱と尿膜管の境目を切離ラインとしています。
腹部CT検査やMRI検査でお臍から膀胱につながる病変を確認します

単孔式腹腔鏡下尿膜管遺残手術

摘出標本

摘出標本の病理組織学検査で膀胱側内腔組織の有無、尿膜管癌の有無を確認します。
手術後の流れ
- 食事:術後すぐ再開
- シャワー浴:手術翌日から可能
- 退院:術後2日程度
(状況により個人差があります)
尿膜管遺残手術の1日
2021年10月から2025年4月までに手術を施行した33症例について示します。全例膀胱との交通がない症例でした。

手術の傷はほぼ分からなくなります
傷の赤みは1ヶ月で消えます
尿膜管遺残は若い患者さんに多い良性疾患のため、創部の整容性と早期社会復帰が求められます。当科の手術は整容性が良く術後2日で退院できるため大変好評です。
当科での手術を希望して、大阪府内だけではなく鳥取県や山口県、兵庫県、岐阜県、静岡県、愛知県、熊本県、イギリスなど遠方の患者さんも来院されています。受診前に膀胱鏡で膀胱側病変の有無を診断してから来院していただくと、初診時の診察がスムーズです。遠方の患者さんは術前検査や術後外来を地元の病院で施行するなど、できるだけ通院回数が少なくなるようにしていますのでご相談ください。
担当医師:外科・小児科 田中夏美 医師
文献
1)大野耕一、他:尿膜管遺残. 小児外科52:1040-1043, 2020
