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副耳

 耳の前や耳珠と口角を結ぶ線上の頬にイボ状の突起がある生まれつきの病気を副耳といいます。赤ちゃんの1.5%にみられます。

図1 耳の前にいぼのような突起があります

図1.jpg

 副耳があっても生活に支障はありませんが、顔や首の目立つ場所にできるために美容的な理由で治療を希望することが多いです。

どんな治療をするの?

 糸で根元を結紮する方法もありますが、軟骨を含む場合は手術で切除します。傷はあまり目立たないことが多いです。当院では小児外科専門医が日帰り手術を行っています。

副耳切除術

 内部の軟骨を含めて副耳を切除します。軟骨の切除が不十分だと残存軟骨が皮膚を隆起させてしまうので、表面から触らなくなる程度に軟骨を切除します。
 多くの手術書には耳介前縁と並行になるように紡錘状の縦切開(図2)で手術すると書いてありますが、まれに傷跡が目立ってしまうことがあります(図2)。そのため、小さな副耳の場合は副耳の皮膚で皮弁を作りできるだけ傷跡が目立たないよう工夫しています(図3)。

図2 多くの手術書には縦の紡錘状切開で手術すると書いてありますが、傷跡が目立つことがあります

図2-1.jpg
「スタンダード小児外科手術」
より引用
赤の点線が縦の紡錘状切開
図2-2.jpg
紡錘状切開術後に
まれに傷跡が赤く盛り上がり目立つことがあります。

図3 当院では皮弁を作り傷を縫わない方法で、できるだけ傷跡が目立たないよう工夫しています

図2-1.jpg
副耳の皮膚で皮弁を
作るように切開します。
図2-2.jpg
縫合糸に反応しないように
傷は縫わずにテープで
皮膚を寄せます。
図2-1.jpg
傷は小さく
目立ちません。

図4 大きな副耳は紡錘状切開で手術します

図2-1.jpg
大きな副耳は紡錘状の皮膚切開を置いて軟骨も含めて切除します。
図2-2.jpg
溶ける糸で縫合するので
抜糸はいりません。
傷はダーマボンドで保護します。
図2-1.jpg
術後2か月目には傷はあまり
目立たなくなります。

当科での日帰り副耳手術を希望して遠方からの患者さんも来院されています。