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バンコマイシン耐性腸球菌(VRE)検出に伴う対応についてのご報告

1.概要
 当院におきまして、平成30521日に入院患者様1名の便培養からVREが検出されました。検出された患者様は共用のトイレを使用されていましたので、感染の拡大を懸念し、大阪府吹田保健所に報告をし、併せて同一フロアに入院されている患者様の便培養の検査を実施しました。その結果、66日までに検査を実施した87名のうち9名の患者様からVREが検出されました。その結果を受け、大阪大学医学部附属病院感染制御部に支援をいただき、更に検査の範囲を広げ、入院患者様全員を対象として便培養の検査を実施しました。723日までに検査実施件数は延べ336件となっており、更に4名の方からVREが検出されました。
VRE
が検出されたいずれの患者様も感染症の発症には至っておらず保菌状態(VREが人の体に住み着いているだけで基本的に人の健康に悪影響を与えない状態)と考えられます。

 当院において、限られたフロアで複数の患者様からVREが検出された事実を重く受け止め、現在、行政および感染対策の専門家の方々と連携し、ご指導をいただきながら感染対策の強化に努めております。また、VREが検出された病棟においては、早期の対応と、感染対策の評価のために、入院患者様の便培養の検査を現在も継続し実施しております。

2.環境培養検査
 VREが検出された関連病棟のトイレを中心に環境培養検査を実施したところ、一部のトイレの便座およびウォッシュレットのノズルからVREが検出されました。現在、トイレ清掃の強化に努めると共に、一部のトイレでのウォッシュレットの使用を禁止しております。

3.遺伝子検査の結果
 大阪健康安全基盤研究所に依頼し、VRE検体の遺伝子検査を実施しております。途中経過ではありますが、現段階で、一部を除いた菌株で遺伝子的関連性が高いという報告を受けており、感染経路の解明を進めております。

4.感染対策
 院内感染対策チーム(ICT)が中心となり、院内での情報共有を行い以下の感染防止策の徹底に努めております。
 手指衛生
 個人防護具(手袋やエプロンなど)の適正使用
 環境および物品の清掃・消毒の徹底
 抗菌薬適正使用


5.今後の対応

 入院患者様および環境の培養検査を今後も継続して行い、引き続き病院内での感染対策を徹底してまいります。
また、大阪府吹田保健所や大阪大学医学部附属病院感染制御部にご指導をいただきながら終息に向けて取り組んで参ります。
入院中の患者様やご家族はじめご面会に来られた皆様にはご心配とご迷惑をおかけしますが、院内の感染対策のためにご理解とご協力をよろしくお願い申し上げます。

今後の経過につきましては、当院のホームページにて随時報告させていただきます。


VREについて
 VREVancomycin Resistant Enterococci:バンコマイシン耐性腸球菌)とはバンコマイシン(メチシリン耐性ブドウ球菌:MRSAの治療に用いられる抗生物質)に対し耐性を獲得した腸球菌です。腸球菌はヒトの腸管に一般的に存在する菌で、VREも通常の腸球菌と同じく腸管内で病気を起こすことはありません。ただし、免疫力が低下している場合などでは、まれに感染症を発症することがあります。VREに対する治療薬(抗生物質)は複数あり、それらを用いて治療を行います。
 VREは、患者様や医療従事者の手指および医療環境や医療器具を介し接触によって伝播していきます。そのため、標準的な感染予防策に加え接触感染を防止する対策が必要となります。接触および経口的に感染していきますので、日常生活では、排泄後や食事の前などにこまめに手洗い(手指消毒)をすることで予防が可能です。

平成30730
病院長 冨永 信彦